荒廃した世界の後日談
【荒廃した世界の後日談】
〈世界観〉
小惑星「アルカヌム」を舞台とした話。主に大きな大陸「ミコー」と小さな大陸「ゲイル」によって成り立っている。
科学技術の進歩が凄まじく、ここ150年ほどで大きな科学成長を遂げたが、魔法という存在は一般に認知されている。人口の約6割がヒトで、残りの4割は亜人種である。仲は良好で、互いの能力を認めあっており共生している。
しかし、排気ガスや汚染水の排出、過度な土地開発による環境破壊が進み、惑星「アルカヌム」はやがて荒廃の一途を辿った。人々は飢えや疫病に苦しみ、不足した食料や水を求め合い、やがて各地で戦争や内戦や暴動が起こった。大量の火器兵器の使用により、更に環境は悪化していった。
それから約10年後、戦争は終わった。
人類滅亡、という最悪の形で世界の幕を下ろした。最後には、終焉しか残らなかった。
戦争は、世界が終わってもなお大きな傷痕を残した。美しかった街は、ただの瓦礫の山と化した。至るところに人類の進歩の残骸が積み重なる。かつて恵みと呼ばれていた雨は、酸性の凶刃となって降り注ぐ。薬品と硝煙と血に汚れた不毛の大地。排水混じりの汚濁した水。
そんな世界に、微かな生命の灯火があった。
異形となった者達。
この荒廃を生き抜く力を持った者達。
これは、荒廃した世界の後日談。
<地理>
ミコー:大きな大陸。人口は全世界の約7割。主にヒトが多く住んでいる。
カルディア:ミコーの最重要都市。国家面積はそう大きくはないが、人口密度がとても高く、最も発展した国と言える。
ウィリディス:ミコーの重要都市の1つ。国家面積が広く、バイオ技術と農業の効率化による大規模農業を行っている。そのためミコーの中で最も重要な食糧生産国と言える。
パルウァエ:ミコーの重要都市の1つ。とても小さい国だが、作業の殆どが機械化されるなか手作業で物作りをする職人達を保護しており、家具であったり、布であったり、絵など多岐に渡って最高級の物品を制作し売っている。
コンコルディア:ミコーの重要都市の1つ。その人口の殆どを亜人種が占め、魔法技術を守り、伝えている。魔法と科学、ヒトと亜人種の架け橋となる国。
ゲイル:ゲイルはその大陸自体を国としている。1年中暖かいが、たびたび強風が吹き、被害を及ぼす。その分、生態系はミコーとはまた異なるものとなっている。亜人種が多く住んでおり、ミコー程土地開発を行っている訳ではない。むしろ環境にあまり手を加えない、という意志を持っている。
インペリウム:ゲイルの首都。
<経済・政治>
急激な経済成長の影響で、貧困層と裕福層の差が開いてしまった。治安が良いと言えるのは裕福層の住宅地のみで、貧困層、中流層では窃盗や殺人なども起こっており治安は決して良いとは言えない。ただ、裕福層間でも賄賂の横行や違法オークションなど、警察沙汰になることも多かった。
また、ミコーは政治形態を民主主義とし、ゲイルは君主主義で国王を主権者として置いている。
<環境>
ゲイルよりミコーの方が環境破壊が酷い。ただ、ゲイルもミコーから排出された排気ガスや汚染水が海流や風に乗ったため環境破壊が進んでいる。しかし、僅かに生物がまだ生存できる環境が残っている。それがゲイル国民がネムス・マーテルと呼ぶ森である。
工場などから排出されるガスのせいで、惑星を覆っていた層が壊れてしまい、恒星「カリブンクルス」から発せられる有害磁波がそのままアルカヌムに降り注ぐだめ、生物は基本的に日が登る間は外で行動できなくなってしまった。
<人種>
ヒト:アルカヌムの人口の約6割を占める種族。個人の能力は亜人種に劣る面が多いが、変わりに物を作り出し、利便性を追求する能力に長けている。魔法を使える者は少ない。
亜人種:ヒト型で、人ならざるもの全般を指して言う言葉。大きく分けると下記の5種である。
獣人:獣の性質を持ち合わせた亜人種
鳥人:鳥の翼を持ち合わせた亜人種
魚人:魚の性質を持ち合わせた亜人種。形によって人魚と呼ばれる。
虫人:虫の性質を持ち合わせた亜人種
爬虫人:爬虫類並びに両生類の性質を持ち合わせた亜人種
これはあくまで一例であり、上の括りに入らない亜人種も存在する。
ノウム:排気ガスや兵器の影響を受け奇形として生まれた、もしくは荒廃する世界の環境に適応するため短期間で急激な進化を遂げて生まれてきた者の総称。ヒトや亜人種に限らず、動物や植物に対してもこの呼び方をする。
<宗教>
ヒトは無宗教者が多い。亜人種は、種族や住む地域などによりそれぞれの神を掲げ崇拝していることが多い。