ゴミ山

しがない一次創作者の設定の吐き溜め。微エログロ含みます。特殊性別、奇形など。

無題

「貴方はもっと頑張りなさい」ずっとそう言われ続けてきた。私は、生まれつき周りの人達よりずっとできなかった。勉強も苦手だった、運動も得意じゃなかった、手先は不器用だった。だから私の周りには誰もいなかったし、友達もいなかったし、時には馬鹿にさ…

無題

「ミランダは天才ね」それがいつも私に向けられる言葉だった。自分で言うのも何だけれど、私は昔から勉強は得意だったし、運動も得意だったし、要領がよかった。幼心ながら、私は周りの皆より優れているんだと悟っていた。友達は皆、私を凄いって言ってくれ…

語り継がれた英雄譚 14話

―国立狩人育成学校。読んで字の通り、狩人になる為の知識を学ぶ教育機関である。10を超えていれば誰でも入学することができ、国の支援の元、8年間の就学の末に最終的には卒業と同時に狩人の身分証明徽章を与えられ、初めて狩人を名乗ることを許される。入学…

6月の鴉 『物語の登場人物の死』

あの6月の夜の出来事。少女と青年は出会った。2人は出会うべきではなかったのだ。ロンドンは、相変わらずの雨が降るともつかない曇り空。日のない街の中に教会の鐘の音が響き渡る。そして2羽の鴉が、遥か遠くへと羽ばたいていった。月のない夜、フラットの石…

語り継がれた英雄譚 13話

通りを右へ、左へ、と進むうちにやがて人通りは少なくなり、露店は消え、どこか閑静な雰囲気の路地へ入り込む。通りに比べて暗く陰気な空気で、窓に飾られた色とりどりの花だけが石の壁を彩っていた。「ずいぶん人が少ない所だね…本当にここにお店があるの?…

語り継がれた英雄譚 12話

「ねえ、レイ。どこへ行くの?」エルドラドの首都、ヴァルゲンの街を2人の少年少女が行く。休日だからであろうか、大通りは行き交う人々の熱気で満たされ、露店が所狭しと並び、活気と華やかさに溢れていた。「お前の魔装飾具を買うんだ。…この間の魔法基礎…

語り継がれた英雄譚 11話

レミィがエルドラド王に謁見したその日から、少しずつではあったものの、少女は変わっていった。いや、元に戻ったという方が正しいだろうか。村の子どもにも会うようになり、長く行くことのなかった学校にも行くようになった。病的に白く、細かったあえかな…

語り継がれた英雄譚 10話

「……おれに、戦えって言うんですか」その場の者全員がレミィに視線を向ける。静まり返った部屋の中、ただ一つの亀裂が入った。「また…あの男に。魔王に。…そんなの、いやだ。魔王は、おれの、お父さんとお母さんを殺した…!あの日からずっと夢に見る!」突然…

語り継がれた英雄譚 9話

「よく来てくれました。さぁ、そこの椅子に腰掛けてください」 海の底を覗き込んだような、深く美しい紺碧のビロードを身にまとった男―宰相の1人、天秤宮のリブラがレミィたちに声をかける。円卓から少し離れて並べられた3つの椅子に、レミィを真ん中に、レ…

語り継がれた英雄譚 8話

「レミィちゃん。私が髪を梳いてあげるわ。こっちの椅子に座ってくれるかしら」アトリアはレミィを備え付けの椅子に座らせると、その寝癖のついた青い髪を優しく梳いた。一年前から1度も鋏を入れていない、無造作に伸びた髪。昔とは違うことばかりが目に入っ…

荒廃した世界の後日談 題目『終わりの始まり』

―やぁ、迷える子羊 僕の名前はスクリプター。あぁ、君は名乗らなくてもいい、僕には全て分かっている。 突然で驚いたかな?聞きたいこともあるかもしれない。ただ、僕から君に言えることは一つ。偶然か、それとも必然か。君はこの世界、「荒廃した世界」に…

語り継がれた英雄譚 7話

その日からというもの、レミィは部屋に引きこもるようになった。以前のように村の少年たちに混ざって遊びに行くこともなくなり、健康そのものであった小麦色の肌もみるみるうちに白くなっていった。食事の量もめっきり少なくなり、顔を合わせる度に痩せこけ…

語り継がれた英雄譚 6話

レミィは瞼を開けた。視界にいつもの木の天井ではない、白く汚れ一つない絢爛な模様の描かれた天井が広がる。あれ、と不自然に思ったレミィは、まだ寝ていたいと主張する身体を無理やり起こした。その瞬間、腹部に刺すような激しい痛みが電撃のように走った…

語り継がれた英雄譚 5話

腕の突き刺さった傷から血が流れ出てくる。テーブルクロスに入れたての紅茶を零したみたいに、レミィの真白のシャツに赤が染み込んでいき、やがて足元に赤い水溜りを作っていった。レミィは苦しそうな呻き声をあげ、痛みに耐えるように俯いた。息を吐き出そ…

語り継がれた英雄譚 4話

「………は」ばきり、骨の砕ける音がした。次の瞬間、今まさにレミィの頭を握り潰さんとした腕が鈍い音を立てて地に叩きつけられた。魔王は落ちた腕に目をやり、次にレミィを凝視した。そして目を細め、憎々しげに「…あぁ、お前か」と呟いた。静かに、それでい…

語り継がれた英雄譚 3話

冷たい風が頬を撫ぜる。胸を過ぎる不安に急かされるように、レミィとレイは少し駆け足で村の中を走り抜けた。誰も居ないのだろうか、子どもたちの笑い声も、女たちの噂話も、何も。鳥の鳴き声さえ聞こえない。その異様な状況に言い知れぬ恐怖を覚え、真っ先…

メビウス

【メビウス】〈世界観〉本来は神々が創った世界が存在していたが、かつて消はその世界ごと全て消滅させてしまった。世界が消え、ぽっかりと空いたその虚無、「世界の狭間」に消が創り出した世界が存在している。基本的にはひたすら一面に空と草原が広がるだ…

語り継がれた英雄譚 2話

市場での買い物を終えた二人は、あたりに大人たちがいないことを確認すると、足早に村はずれの森へと向かった。森の中に入ると、やはり人気は感じられない。村の賑やかさとは対称的に、とても静かである。時折聞こえるのは鳥のさえずりや、木々のざわめきく…

語り継がれた英雄譚 1話

クレの村は、エルドラド国南東部に位置し、白い石レンガと赤い屋根の家が立ち並ぶ小さな村だ。周りを〈豊かなる緑の平原〉に囲まれ、春には小さな色とりどりの花が草原を彩り、夏には青々と茂る草木の緑が輝く。秋には小麦畑の黄金色の海が風になびき、冬に…

荒廃した世界の後日談

【荒廃した世界の後日談】〈世界観〉小惑星「アルカヌム」を舞台とした話。主に大きな大陸「ミコー」と小さな大陸「ゲイル」によって成り立っている。科学技術の進歩が凄まじく、ここ150年ほどで大きな科学成長を遂げたが、魔法という存在は一般に認知されて…