ゴミ山

しがない一次創作者の設定の吐き溜め。微エログロ含みます。特殊性別、奇形など。

メビウス

メビウス

〈世界観〉

本来は神々が創った世界が存在していたが、かつて消はその世界ごと全て消滅させてしまった。世界が消え、ぽっかりと空いたその虚無、「世界の狭間」に消が創り出した世界が存在している。基本的にはひたすら一面に空と草原が広がるだけの世界だが、「創造主」である消の意思を反映させるのでどうとでも変えることができる。

消はあらゆる世界を移動し、その先で「孤独」になってしまった人々を自分の世界の住人にし、白い壁、白い屋根の大きな家に全員で住んでいる。その為住人たちの元の世界の文化を取り入れるので現代日本のようにスマホやパソコンが存在すれば中世の文化が存在し、魔術や錬金術も存在する。つまりなんでもあり。

「世界」という枠ではなく狭間に存在するので、任意の場所かどうかは別としてだが他の世界と繋がりやすい。


<大罪を犯した女神の話>

かつて「人間界」という世界が出来たばかりの頃、まだ闇や光の境目も曖昧で人間界、天界、魔界はとても密接なものだった。つまり人間にとって、天使や神、悪魔は今よりずっと、近しい存在だったのである。神々や天使が人間界に降りその世界の構成を進める中、1人の女神が人間界に降り立った。その者の名はクロト、運命の3女神モイライの1人で、紡ぎ手と呼ばれる存在だった。

地上に降り立ったクロトは、1人の羊飼いの青年に出会う。誰に対しても分け隔てなく接し、快活で優しいその青年だった。クロトはこの青年と地上に降りている間、会話を楽しんだ。そして天界に帰らなければいけなくなった時、2人は「また2人で話をしよう」と約束を交した。約束通りクロトは地上に降りる度に青年に会いに行き、話をしていた。初めは地上に行く必要がある時だけであったがやがて頻度が増え、やがて2人は恋仲となった。しかしクロトは知る、自らの紡ぎ出した運命の糸が、青年を殺してしまうことを。クロトは思い悩み、そして大罪を犯す。既に紡がれた運命を勝手に改ざんしたのだ。無論他の神々に知られ、罰せられることになった。そしてもう、2度と青年に会えないことも。クロトは天界から逃げ出し堕天した。ただ、青年に会いに行った時にはもう遅かった。改ざんされた運命は修正され、青年は死んでしまっていた。

クロトは深く悲しんだ。そして一つの呪いを自らと青年に掛けた。赤い糸の呪いという呪いだ。赤い糸の呪いに掛かった2人は、何度転生を繰り返しても、糸の力で必ず出会う事ができる。ただその代償として、望んだ幸せは絶対に手に入れることが出来なくなる。クロトはそれでも青年と共にありたいと願い、自らの魂も人間界の輪廻の中に還元し、人間に生まれ変わった。彼らは気が遠くなるような時の中、何度も出会い、そして最後にはこう言うのだ。

「次は、絶対に幸せにしてみせる」


やがて年月が経ち、また2人は出会う。今度は消という名とレクイエムという名で。


<消>

消の身体には二つの魂が宿っている。それは「消」という個人の魂と、かつての女神「クロト」の魂だ。クロトの魂にはまだ運命の糸を紡ぐ力が残っている。だから消も同じように運命を改ざんし、簡単に世界を創ったり自分の意思を反映させることが出来る。